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池田信夫さんのブログに「《格差社会》の幻想」という記事がある。

所得格差に関するOECDの調査が発表された。それによれば、図のように日本の所得格差(ジニ係数)は過去10年で縮小し、OECD諸国の中でも中程度である。ただし老年層(年金生活者)と若年層(非正規労働者)の貧困率が上がっている(日本に関する資料)。

ここ数年、騒がれてきた「格差社会」なるものの実態は、大竹文雄氏も指摘するように、急速な高齢化によって年金生活者が増えた結果である。懸念すべき問題は、若年層で非正規労働者の比率が高まっていることだ。厚労省のやろうとしている派遣労働への規制強化は、労働需要を低下させ、失業者を増やす逆ケインズ政策である。麻生政権は、緊急にこの愚かな政策を止めるべきだ。

「格差社会」の幻想

なんだ「格差社会」は幻想だったのか?と思ったのもトコノマ…じゃなくて、つかの間、引用先の文書を読むと、やっぱり幻想じゃないじゃん。

日本の所得格差と貧困は、長期にわたる拡大傾向に反して、過去5年間で縮小に転じた。しかし、日本の貧困水準(所得分布の中央値の2分の1未満で生活する人の比率)は、OECD諸国の中で4番目に高い

一世帯あたりの所得は過去10年で減少した。低所得層にとっては1990年代後半が最も困難な時期であったが、高所得層は2000年代前半に所得の減少を経験した。日本の下位10%の国民の平均所得は6000米ドル(購買力平価)であり、OECD平均の7000米ドルを下回る。上位10%の国民の平均所得は60000米ドルでOECD平均の54000米ドルよりはるかに高い。

給与と貯蓄から得られる所得の格差は、1980年代半ばから30%拡大したが、同時期においてOECD諸国の平均は12%増だった。日本よりも大きく拡大したのは、イタリアだけであった

日本社会は急速な高齢化が進行している。過去20年で、高齢者の割合は2倍に増え、子供の数は3分の1減った。これらの変化が格差拡大の原因のひとつである。

1985年以降、子供の貧困率は11%から14%に増加したが、66歳以上の人の貧困率は23%から21%に減少した。これは、依然、OECD平均(13%)を上回っている

COUNTRY NOTE JAPAN

たしかにジニ係数は縮小しているが、「貧困水準がOECD諸国の中で4番目に高い」とか、「下位10%の国民の平均所得がOECD平均を下回る」とか、「給与と貯蓄から得られる所得の格差が、日本よりも大きく拡大したのは、イタリアだけであった」とか、「子供の貧困率は増加した」とか、66歳以上の人の貧困率は依然、OECD平均を上回っている」とか、何一つとして格差社会は幻想であったという証拠が示されていないのだが…。

2008.10.26 | 日記らしきもの | トラックバック(0) | コメント(2) |