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すげぇ久しぶりに“Ayu! love! ayu!”のじょいじょいさんが「ピリ辛炒め」を書いたので、その感想を書こう。

ayuのリミックス曲雑感(1/2)

まず、オイラとじょいじょいさんの最大のちがいはココである。

さまざまな歌手やユニットのリミックス作品を聴く機会があるのだが、そのたびに実感するのが、ayuほどリミックスの似合うアーティストはいないということである。(贔屓目が少しは入っているかもしれないが)

オイラは、ayuさんほどリミックスの似合わないアーティストはいない、と思っている。w

まあ、それは、Ayuさんの詞をどう評価しているのか、リミックスに何を求めるか、のチガイであるので、じょいじょいさんがまちがっていて、オイラが正しいと思っているわけではない。

そこで、まず、オイラがリミックスに何を求めているのか、というところから話をしてみたい。

本来、リミックスというのは、オリジナルの歌をクラブなどで流した場合、ダンスに合わなかったり、短すぎたりして、いまいち乗れないので、ダンス用に変える必要があったから、ミキシングし直したのである。

だから、それ以上のものでもないし、それ以下のものでもない。

ところが、オイラはリミックスにそれ以上のものを求めている。

これは以前、

ELT"The Remixes"~avex 愛と怨念のリミックス~

に書いたとおりである。

 じつは、リミックスは、フランスの思想家デリダの「脱・構築」の手法を取り入れたものでもあります。「脱・構築」とは、ひとつのテキストから一義的な意味だけを読み取らないで、むしろその背後にそれと対立するようなもうひとつの意味性を見出し、後者によって前者を相対化してゆくという方法です。ただ、実際には、オリジナル曲の意味の相対化というよりも、雰囲気を変える程度にしか用いられてませんが。。。

これは、リミックスの本来の目的から考えると、お門違いの意見なのだが、まあ、オイラがリミックスに求めているものがわかると思う。

で、これが、オイラがAyuさんの詞をどう評価しているのか、につながっていく。

Ayuさんの詞は、きわめて多義的で、何を言いたいのかよくわからん、ところがある。

大丈夫だって言い聞かせて
得意の笑顔に切り替える
投げやりだっていうんじゃなくて
開き直ったっていう感覚

震える手を隠したのは
同情がさむすぎるから

中途半端で見せかけだけの
温もりなんかじゃ 暖まらない
それならいっそ見ないフリして
跡形もなく 砕け散るまで

今更きれい事なんて
聞くつもりも 言うつもりもない
痛みは増える一方だろう
ならば受け止めて行くまでさ

こわいくらい澄んだ空気は
嵐が来る前の静けさ

親切そうなあの人々は
本当は 何を知りたいのだろう
優しげな目の奥に鋭い
好奇という名の ナイフ隠して

君は一体何が欲しいの
君は一体何を願うの
君は一体どこを目指すの
そしてそこへは 誰と向かうの

君が君で生きられるのは
最初で最後 この一度だけ
大きな地図を広げた後は
君だけの道を 描けばいい

“(miss)understood”

一応、3つに分けてみました。たぶん3つの話で構成されているんでしょう。こういう詞を書く人はあまり見かけないし、本人も最近は慎んでいるようです。(爆)

この歌が発表された後、トンデモさんたちが、マサ(松浦勝人社長)がバー○ングを使って、Ayuを攻撃している!って騒いでましたね。北野誠か?! オイラにはそうは読めないんだが…。う~ん、多義的な歌だ。orz

オイラは、こーゆー、ある文脈に乗せてみると、そー読めてしまう歌詞がけっこう好きです。「ひとつのテキストから一義的な意味だけを読み取らないで、むしろその背後にそれと対立するようなもうひとつの意味性を見出し、後者によって前者を相対化してゆく」ことがね。w

ここまで書くと、ayuさんほどリミックスの似合わないアーティストはいない、の意味がわかると思います。そもそも多義的なのに、さらに多義化してどーするのか、と。

甘いスイカに砂糖をかけて食べたくないのですよ(by 千利休)。w


同じ理由でつぎの部分も同意できないですね。

私がピリ辛いための中で幾度も指摘してきたように、ayuのボーカリストとしての技術はまだまだ発展途上であり、そのわかりやすい例として、暗い曲調の作品をいかにも暗く歌い上げようとするあまり、逆にお腹いっぱいになって逆効果となる場合が多い。

オイラは「暗い曲調の作品をいかにも暗く歌い上げ」てはいないと思うんだけど…。Ayuさん自身も、押しつけがましいから極力そうしないように努力している、って言ってたような気が…。

あと、この発言もちょっとイタイ気がする。

プロデューサ、MAX松浦氏がayuのデビュー当初からリミックスをシングルの抱き合わせに多数用意したり、ファーストアルバムと同時期に早くも2枚組リミックスアルバム『ayu-mi-x/あゆ・み・っくす』をリリースしたり、さらにはマニアや海外のディスコ向けにリミックスのアナログ盤やあろうことかボックスまで出したりする熱の入れようだった理由もじょいじょいには痛いほどよくわかる。MAX松浦氏にとって、ayuは自分が待ちこがれ探していた新時代の歌姫であると同時に、欧州中心のユーロビートなどディスコシーンに打って出る構想を担ってくれる数少ない宝石の原石だったに違いない。

エイベックスは、「浜崎あゆみ」以前から、シングルの抱き合わせにリミックスを多数用意していたし、リミックスアルバムを出していたんだよね。Favorite Blue や Every Little Thing がそうだった。そもそも小室哲哉がダンスミュージックをつくったらどうなんだろうって発想がエイベックスの邦楽部門のアルケー(はじまり)なのだから…。

まあ、これもみんなAyuさんへの愛がなせるワザなのでしょう。w

オイラには愛が足りないのだな。(爆)

2009.05.19 | Ayu(浜崎あゆみ) | トラックバック(0) | コメント(3) |