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細野真宏 著『「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?』(扶桑社新書、2009年)という本を買いました。

理由は日曜日にやっているフジテレビ「新報道2001」が、先週・今週と2度にわたって年金問題を取り上げ、「未納が増えると年金が破綻する」という主張が誤っていると指摘している権丈善一慶應大学教授と細野真宏氏をゲストとして招いたからです。

オイラも以前、この記事

超党派議員による年金制度改革案

で基礎年金部分を全額税方式にする年金改革案を紹介しましたが、その前提がまちがっているとの主張です。

で、結論から言うと、権丈善一教授と細野真宏氏の主張のほうが正しいようです。


平成19(2007)年度の年金保険料の納付率は74.5%ですが、実際に未納しているのは下図のように5%程度にすぎないのです。



これは、未納者というのが第1号被保険者(自営業者・学生)のなかの未納者であり、公的年金加入者からみると、ごくわずかとなるからです。

じつは、納付者と未納者のほかに、免除者と特例者・猶予者がいます。免除者というのは、収入が少なすぎて年金保険料が払えないので、免除手続きを行った者です。特例者とは、やはり収入が少なすぎて保険料を全額払えないので、一部分(1/4、1/2、3/4)だけを払っている者です。猶予者とは、猶予期間が2年なので、今は払えないけれど後で払おうとしている者です。

このうち、全額納付している人と、特例で一部分を納付している人の、第1号被保険者全体に対する比率が納付率となっているのです。


ところで、年金の財源は下図のように被保険者の保険料だけではありません。



日本の場合、1/3は被保険者の保険料、1/3は被保険者を雇っている事業主の保険料、1/3は公費負担(税金)となっているのです。そして、今年度(2009年度)からは、この公費負担が1/2に増えます。

年金未納者は、この公費負担分を税金で負担しているのに、保険料を払っていないので、将来年金を受け取ることができません。

免除者や特例者ですが、免除者は、保険料を払っていないけれど、公的負担分(つまり半分)は受け取れるのです。特例者は、公的負担分に保険料を払った分を上乗せされて受け取ることになります。

だから、未納者は損をすることになるのです。w


まあ、未納者は、公的扶助(生活保護)を受けようとするので、その分(これは全額公費負担)国民全体の負担となり、それが現制度の欠点でもあります。

この場合、支払った保険料と公費負担分を公的扶助に上乗せすることで、年金未納者が得をしないようにする改正が必要となります。これは細野氏も本の中で指摘していることです。


もう一度、上図を見てください。現行制度では保険料の約半分を事業者が負担していますね。これが税方式になると、負担しないで済む(あるいは負担を少なくできる)ので、事業者=企業は税方式を推進しているのです。

税方式を推進しているのが、大企業の利益を代表する日本経団連であり、それを大々的に喧伝しているのが『日本経済新聞』なのです。w

残念ながら、民主党も税方式を推進しているのです。この点はなんとか変えてもらえないでしょうか?



こちらの方も、刺激的なタイトルですが、ほぼ同じ内容ですね。

年金未納で破綻はしないが、破綻する!?

2009.06.08 | 日記らしきもの | トラックバック(0) | コメント(4) |