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昨夜(12/23)、放送されたNHKスペシャル「日本国債」を見た。

年々膨れ上がる“日本の借金”、日本国債の発行残高が、ついに700兆円を超える。その額は、対GDP比でみると先進国では最も大きい。

莫大な国の借金は、ヨーロッパでは信用不安の原因となり、混乱が続いている。その額の大きさから“薄氷の上にある”とも例えられる日本国債は「安全な資産」として資金が集まって連日高値を記録し、長期金利は10年ぶりの低水準で盤石にみえる。

これに対し、人々の預金を元手に国債を大量に保有する金融機関では、国債価格の下落に警戒を強めている。デフレ対策のため、事実上、国債を買い支えている形になっている中央銀行「日銀」は、購入による副作用を意識しながらも、かつてない額の買い入れを行っている。そして海外のヘッジファンドの中には、人口が減少し低成長が続く日本は、やがて苦境に陥ると予測し「次なるターゲットは日本国債」と公言しはばからないところまで出てきている。

欧州の信用不安。アメリカの景気の先行き不安。こうした状況から、豊富な個人金融資産と対外資産を持つ日本の国債は、今のところ“安全”と見なされて買われている。しかし、ひとたびその安定が崩れれば、財政が悪化し、暮らしに直結する公共サービスが滞り、企業経営、個人の家計にも大きな影響が出るとの懸念もある。

日本国債に今何が起きているのか。番組では、安泰に見える現状の背景で進む大きな変化を、ドキュメンタリーとドラマで多角的に描く。

NHKスペシャル|日本国債

伊武雅刀とダチョウ倶楽部の谷田部・坪倉がやっていたドラマに登場した幸田真音さんという人は、『日本国債』という本を書いているのに、驚くべきことを言っていた。

日本の国債の多くは日本銀行と市中銀行が購入しているが、その資金は企業や家計の貯蓄であり、家計の少子・高齢化や企業の海外投資で貯蓄が減少したら、国債を買い支えることができず、日本国債が暴落する、というのだ。

それは不安だ。しかし、その前に、なぜ国債を発行するのか、という根本的な話をしたい。

高校の「現代社会」や「政治・経済」を採ると、「三面等価の原則」を勉強する。これは、国内総生産(GDP)は、生産面・分配面・支出面から見ても、等価である、という原則である。高校で学ぶのはここまでだが、これがマクロ経済学の基本中の基本となる。

国内総生産をY、民間消費をC、民間貯蓄をS、民間投資をI、政府支出をG、租税をT、輸出をEX、輸入をIMとすると、三面等価の原則から

   Y=C+S+T=C+I+G+(EX-IM)

という式が書ける。これを変形させると、

   S-I=G-T+(EX-IM)

となる。S-Iは民間貯蓄超過、G-Tは財政赤字、EX-IMは貿易黒字である。

日本人は貯蓄率が高いから、不況で投資が減ると、民間貯蓄超過が大きくなる。これを解消するには、財政赤字を増やして公共事業を行うか、貿易黒字を大きくするかのどちらかである。今は円高で貿易黒字を増やすことはできない(あと、「貿易摩擦」も怖いw)ので、もっぱら財政赤字を増やすこと(=国債発行)しかできない。

しかし、逆をいうと、家計の少子・高齢化や企業の海外投資で貯蓄が減り、民間貯蓄超過が少なくなったら、国債を発行する必要がなくなるのだ。じつは、この話、マクロ経済学の代表的な教科書である、中谷厳(著)『入門 マクロ経済学 第五版』にも、書いてあるのだ。

幸田さんは、知らなかったら勉強不足だし、知っていたらウソつきということになる。いずれにしても、マクロ経済学を無視した国債にかんする番組(=トンデモw)をNHKが放送したわけだ。

もしかしたら、この番組はアベノミクス潰しのための情報操作なのか?と邪推してしまうなあ。(爆)

2012.12.24 | ├ 経済ネタ | トラックバック(0) | コメント(0) |