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「日本のいちばん長い日」を見た。いま公開している映画ではなく、1967年公開の方ね。御前会議でポツダム宣言の受諾を決めた1945年8月14日正午から、玉音放送で終戦を国民に知らせる翌15日正午まで24時間をあつかった作品。この間、玉音放送を妨げるために青年将校がクーデタを起こそうとした宮城事件があった。

主な配役はこんな感じ。

  鈴木貫太郎(首相)…笠智衆
  阿南惟幾[あなみ これちか](陸軍大臣)…三船敏郎
  迫水[さこみず]久常(内閣書記官長)…加藤武
  畑中健二(陸軍少佐)…黒沢年男
  佐々木武雄予備役大尉…天本英世
  昭和天皇…松本幸四郎(8代目)

ちなみに、見たのは2度目だし、このあたりの歴史は知っているので、ストーリーはだいたいわかっていた。

鈴木貫太郎は、まんま笠智衆だったんだけど、それはそれで味わいがあったから良いかと…。オイラの知ってる笠智衆は、リアルで見ていたジジイ役の笠智衆と、小津(安二郎)作品に登場するお父さん役の笠智衆と、ふたとおりあるんだけど、1967年という時期なので、後者のイメージだった。

阿南惟幾は、これまた三船敏郎以外の何ものでもなかったけど、前見たときは延々切腹シーンを流していたと思ってたけど、それほどではなかった。衝撃的なシーンだから、その印象が強かったのかな。w

迫水書記官長も、まんま加藤武だった。いつか「よしっ!わかった!犯人は…」って言うんじゃないかと…。wwwww

昭和天皇を松本幸四郎がやっているとは、最後に配役が流れるまでわからなかった。ちなみに、この幸四郎は、松たか子のお父さんじゃなくて、お祖父さんの方。むかし、「鬼平」やってた人ね。ちょっと前に「鬼平」やってたのは、松たか子のオジさんの中村吉右衛門(2代目)なんだけど、こっちの方が似ている。…ってことは昭和天皇にぜんぜん似てないんだけど、なぜか昔は天皇を演じるのは歌舞伎役者だった。あと、あんまり映さない。だから、最後まで誰なのかわからなかった。まあ、恐れ多いって感覚なんでしょうかね。

さて、この作品のなかで異常に目だっていたのは、畑中健二を演じた黒沢年男と、佐々木武雄を演じていた天本英世だった。畑中も佐々木も濃い人なんで、まあしょうがないんだけど、濃い人を濃い人が演じるとトンデモないことになる。w

畑中の暑苦しさは尋常じゃなく、ただでさえ8月半ばで暑いのに、黒沢年男だからなおさら暑い。新作映画も、松坂桃李が演じるより、松岡修造がやった方が(・∀・)イイ!!んじゃないかと思った。

クーデタをもくろむ畑中が近衛師団長の森赳中将(島田正吾)をぶっ殺すんだけど、いっしょに見ていた妹が驚いて「これは事実なのか?」と聞いてきた。w 軍隊って上意下達組織なのに、部下が上官をぶっ殺すのがよくわからんようだった。歴史を勉強すれば、日本陸軍の「下克上」体質を知っているので、あまり驚かないが、知らないとビックリするんだろうね。張作霖爆殺事件も、満州事変も、佐官クラスが勝手に起こしたこと。二・二六事件に至っては尉官クラスだし…。

あと、加山雄三演じるNHK放送員に拳銃を突きつけるシーンがあったけど、どっちも濃い人なんで、めちゃくちゃ濃かった。最後はクーデタに失敗して、拳銃自殺しちゃうんだけど、そのときも痙攣したりして、やっぱり濃かった。wwwww

暑苦しい畑中に対して、佐々木はキチガイじみていた。佐々木は、宮城事件に呼応して、横浜工業専門学校の有志らを募って、首相官邸と鈴木貫太郎の私邸などを焼き討ちする。「死神博士」が、山水館の女将(新珠三千代=鈴木邸の女中)を追い出して、ガソリンまいて放火するのを見て、さすがショッカー幹部はやることが違うな!と思った。こっちは松山ケンイチが演じるんでしょ。ちょっと期待できそう。wwwww

ぜんぜん関係ないけど、リアルの佐々木は、首相官邸を焼き討ちにしたとき、重油をまいたんで、たいして燃え広がらず、あっという間に鎮火されたそうだ。でも、終戦のドサクサにまぎれて逃げおおせちゃうんだよね。ホントに濃い人だぜ。w

海軍大臣・米内光政を山村聰、外務次官・松本俊一を戸浦六宏、宮内省総務局長・加藤進を神山繁、クーデタを起こす井田正孝中佐を高橋悦史、古賀秀正少佐を佐藤允、侍従・徳川義寛を小林桂樹が演じていた。あと、加藤大介や藤木悠、中谷一郎(風車の弥七w)も出てた。ただ、第302航空隊(厚木基地)の小園安名大佐は、若山富三郎だと思っていたら、田崎潤だった。また、畑中らがまいたビラを拾う街の浮浪児を雷門ケン坊が演じていたとは気づかなかった。orz

2015.08.16 | ├ テレビと映画 | トラックバック(0) | コメント(0) |