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最近の食性研究で圧倒的に植物食なのがわかり、ノネコに比べて希少動物の脅威になりにくいアライグマが嫌われる理由がわからなくなった。ときどき果樹園や畑を荒らし(これもそんなに多くない)、天井裏に巣をつくり糞尿をするので人間には脅威だし、そもそも外来生物ではあるが…。

北アメリカからの外来哺乳類であるアライグマは1960年代に日本で進出し、1980年代以降各地に生息するようになった。アライグマは水生動物群集に影響を及ぼすといわれるが、食性情報は限定的である。原産地では、水生動物も採食するが、哺乳類、穀類、果実なども採食する広食性であることが知られている。横浜市で捕獲された113のアライグマの腸内容物を分析した結果、果実・種子が約半量から50~75%を占めて最も重要であり、次いで哺乳類(体毛)が10~15%、植物の葉が5~20%、昆虫が2~10%で、そのほかの成分は少なかった。水生動物と同定されるものはごく少なく、魚類が春に頻度3.O%、占有率O.2%、甲殻類が春に頻度3.O%、占有率0.1%、貝類(軟体動物)が夏に頻度3.4%、占有率くO.1%といずれもごく小さい値であった。腸内容物は消化をうけた食物の残滓であることを考慮しても、水生動物が主要な食物であるとは考えにくい。アライグマが水生動物をよく採食し、水生動物群集に強い影響を与えているかどうかは実証的に検討される必要がある。

高槻成紀・久保薗昌彦・南正人「横浜市で捕獲されたアライグマの食性分析例」(PDF)

ほかに

佐鹿万里子「外来種アライグマと在来種タヌキの競合関係解明に関する研究」(PDF)

など。

荒川河川敷でもときどきカメラに写る(上図)が、タヌキに比べて、ひっそりと暮らしている。河川敷は、草原が多く、樹木は少ない。昆虫が多く、果実が少ないので、タヌキには暮らしやすいが、アライグマには暮らしにくいのだろう。

2019.07.20 | 生き物 | トラックバック(0) | コメント(0) |