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 オーストラリアで2019年後半から続く森林火災の被害が拡大している。南半球の豪州では暑くなるこの時期に起きやすくなるが、19年から気温が例年より高く、降水量も少なかったため被害が長期化した。16日からの雨で勢いは弱まったものの、いまだ多くの地域で燃えている。新たに大雨による洪水被害も発生し、対応が後手に回るモリソン政権への批判も高まっている。専門家らは、気候変動が影響しているとして対応強化を求めている。

豪、止まらぬ山火事 コアラなど動物12億匹犠牲か ハワイ旅行の首相に批判も

オーストラリアの森林火災、またぞろ地球温暖化ネタにされているが、ダイポールモード現象で説明できる。

下図のように、地球には、1)赤道付近に熱帯収束帯(低気圧帯)、2)北緯・南緯30度付近に中緯度高圧帯(高気圧帯)、北緯・南緯60度付近に高緯度低圧帯(低気圧帯)が存在する。そして、高圧帯(高気圧帯)から低圧帯に向けて風が吹いているが、コリオリの力(転向力)によって、中緯度高圧帯から熱帯収束帯に向かう風は東風(貿易風)、中緯度高圧帯から高緯度低圧帯に向かう風は西風(偏西風)、両極から高緯度低圧帯に向かう風は東風(極東風)となる。



なんらかの理由でインド洋で南東貿易風が強まると、東側にあった高温の海水は西側へ移動させられ、また東側では深海からの湧昇や海面から蒸発が盛んになるために海水温が低下する。これが正のダイポールモードである(下図)。



正のダイポールモード現象が起きると、東アフリカでは海水温の上昇から水蒸気量が増えて多雨となり、逆にインドネシアやオーストラリアでは海水温の低下から水蒸気量が減って少雨となる。

一方、インド洋で逆に南東貿易風が弱まると、東から西への海流が滞るため高温の海水が東側に滞留し、西側は海水温が低下する。高温となった東側では対流活動が活発化する。これが負のダイポールモードである(下図)。



負のダイポールモード現象が起きると、東アフリカでは海水温の低下から水蒸気量が減って少雨となり、逆にインドネシアやオーストラリアでは海水温の上昇から水蒸気量が増えて多雨となる。

通常、2年連続で発生することは珍しいが、2006~08年は3年連続、2012~13年は2年連続で発生している。そして、2006~08年の正のダイポールモード現象の翌2009年2月~3月にはビクトリア州で大規模な森林火災が発生していた。


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豪、止まらぬ山火事 コアラなど動物12億匹犠牲か ハワイ旅行の首相に批判も
毎日新聞 2020年1月19日 19時56分(最終更新 1月19日 23時23分)

 オーストラリアで2019年後半から続く森林火災の被害が拡大している。南半球の豪州では暑くなるこの時期に起きやすくなるが、19年から気温が例年より高く、降水量も少なかったため被害が長期化した。16日からの雨で勢いは弱まったものの、いまだ多くの地域で燃えている。新たに大雨による洪水被害も発生し、対応が後手に回るモリソン政権への批判も高まっている。専門家らは、気候変動が影響しているとして対応強化を求めている。

■ 平均最高気温40度超、日本の半分焼失、コアラ危機

 被害が深刻なのは、東部ニューサウスウェールズ州やビクトリア州、クイーンズランド州。豪州気象局によると、19年は観測史上最も暑く乾燥した1年で、12月の平均最高気温は40度を超えた。

 これまでに日本の国土面積の約半分にあたる1700万ヘクタール以上が焼失したとされ、消防隊員ら少なくとも28人が死亡、2700棟以上の住宅が焼けた。

 煙害も深刻で、ビクトリア州メルボルンで開催されたテニスの全豪オープン予選では、試合開始時間が遅れたり、選手が棄権したりした。

 一方、世界自然保護基金(WWF)は、コアラやカンガルー、鳥類などを含め約12億5000万匹の動物が犠牲になったと指摘する。

 火災から逃れたコアラが消防隊員が差し出したペットボトルから水をむさぼり飲んだり、やけどを負ったコアラなどの野生動物が治療を受けたりする様子は世界中に拡散。アシナガネズミカンガルーなど、絶滅が危惧される希少動物の生態にも大きく影響したとみられる。

■ 後手のモリソン首相、支持率急落

 被害が拡大する中、モリソン首相の対応は遅れた。火災の勢いが増していた12月、家族でハワイ旅行に出掛け、国民からの批判を受けて急きょ帰国。その後、軍の予備役約3000人を消火活動に招集したり、20億豪ドル(約1500億円)を投じた復興支援機関の新設などを発表したりしたが、信頼回復にはつながっていない。

 13日付オーストラリアン紙の世論調査では、モリソン氏の支持率は37%と前回調査から8ポイントも急落した。

 モリソン氏は12日に公共放送ABCのインタビュー番組に出演。30年までに温室効果ガスの排出量を05年比で26~28%削減するという現状の目標を引き上げるかという質問に対し、「排出量削減のため可能な限り最善を尽くす。国家の経済利益と社会利益とのバランスが取れた政策で行いたい」と述べるにとどまった。このため政権の気候変動対策にも不満が高まっている。

■ 科学者から「豪州は緩和努力強化する必要がある」と批判

 大規模な森林火災は豪州だけではない。ブラジルでは19年1~8月にアマゾン川流域の熱帯雨林で4万4000件を超える火災が発生した。ボルソナロ政権が自然保護よりも経済開発を優先させた結果だとして非難された。19年夏は世界各地で異常な高温を記録し、スウェーデンでは北極圏を含め約50カ所の森林火災が報じられた。

 国連の世界気象機関(WMO)は15日、10~19年は観測史上で最も暑い10年間だったと発表。ターラス事務局長は「残念ながら我々は次の10年間を通じて、温室効果ガスによって引き起こされるより深刻な異常気象を経験することになるだろう」と警告した。

 地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」では、温室効果ガスの排出削減で温暖化のスピードを抑える「緩和」と、温暖化がもたらす影響を見越して被害の軽減に努める「適応」を重視する。

 豪州科学アカデミーのジョン・シャイン会長は10日、「異常気象が頻発かつ深刻になるならば、豪州は緩和努力を強化するとともに適応する必要がある」との声明を発表した。【ジャカルタ武内彩】

2020.01.27 | 時事ネタらしきもの | トラックバック(0) | コメント(0) |












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