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被災者が多くて仮設住宅を建てるのがたいへんだから、家賃をやるから家を借りてくれって方針だな。

 災害時の仮設住宅について、内閣府の有識者会議は、自治体が住宅を用意して無償提供する現行の方式に加え、家賃として現金を給付し、被災者自らが賃貸住宅を借りる方式を新たに検討することを提言する。高所得者の家賃有料化の検討も求める。将来の大災害の際、国や自治体の負担を減らし、より多くの財源や人手を必要な被災者支援に回すことを目指す。

 東日本大震災では、資材高騰や寒冷地対策などで、自治体が建設するプレハブ仮設は、1戸あたりの整備費用が600万~820万円と基準の253万円を上回った。また、民間住宅を借り上げる「みなし仮設」では自治体が借り主になるため、契約作業に職員の手が回らず、被災者が入居を待たされる例が相次いだ。

被災者の家賃、現金給付も 有識者会議が提言へ

自治体が建設するプレハブ仮設の費用が高くなったのは、寒くない&結露しない、まともに住める仮設をつくったから。自治体がつくった仮設は、居住性が高いと、被災者から歓迎されているんだが、そのことはスルーなのね。

政府が提供する仮設(プレハブ建築協会の仮設)は、鉄骨造で断熱がテキトーだから、夏暑く、冬寒く、結露して、住みにくい。とくに冬は酷くて、被災者が、屋内でドテラを着てコタツに入っていることが多い。天井で結露して、雨漏りみたいに水が落ちてくるから、床にタライを置いてたりする。熱環境の専門家で建築家の松尾和也さんは、もうそろそろ鉄骨造で一般住宅を建てるのはやめませんか?と提言している。鉄骨が熱橋になって、夏は暑さ、冬は寒さを屋内に流入させるからだ。

ブリツカー賞をとった坂茂さんの「コンテナ仮設住宅」なんて、このまま住み続けてもOKな建物だ(実際にアパートとして利用されるらしい)。くわしくは下記の記事で…。

坂茂さんにブリツカー賞

コンテナ仮設住宅だったら、あらかじめつくって保管できるので、災害発生後、用地が確保できたら最短で住めるようになる。2~3階建てにできるから、用地は狭くても可能。しかも、カッコよく、住み心地も良い。仮設住宅の標準にすればよいだろう


以前から「仮設不要論」なるものを唱えている南堂久史が、これに関しても無知を晒している。《そもそも仮設住宅の基本は「2年間居住」だから、3年目に提言を出しても、ほとんど意味がない》だって。w

仮設住宅からの転換

しかし、現実は、予定どおりに復興住宅を建てることは困難なのだ。

県は2015年度末までに全1万5561戸の完成を見込んでいた県内の災害公営住宅(復興住宅)について、約4分の1の3800戸の完成が16~17年度にずれ込むことを明らかにした。用地取得や宅地造成が遅れているのが理由。また、県営で整備を検討していた1000戸は「市町村で整備するめどが立った」として、建設しない方針を決めた。

東日本大震災:復興住宅 完成、2年遅れも 用地収得、造成進まず /宮城

前にも書いたけど、阪神・淡路大震災のときは、仮設住宅に最長5年暮らした例がある。東日本大震災は、被災者がケタ違いに多いんだから、何年かかるかわからない。それが現実だ。
上記とほぼ同じコメントを書いたら、「仮設住宅をせっせと作ろうとする一方で、 空き家が大量にあふれている」との返事があった。w

しかし、実際には空き家はそんなに存在していない。以下は、阪神・淡路大震災のポータルサイトが集めた「東日本大震災データ集」の「応急仮設住宅」にかんする記述から「みなし仮設」の説明とデメリットを引用する。

応急仮設住宅には、プレハブの仮建築以外にも、既存の市営住宅や公務員住宅、UR賃貸住宅など(今回はJR東日本やNTT東日本提供の社宅等も含まれる)の公営住宅の空き家を提供する「公営住宅等一時入居」がある。

またこの震災ではこれまでほとんど前例のなかった、県が民間賃貸住宅を借り上げて家賃補助という形で提供する「民間賃貸住宅借り上げ」(通称:みなし仮設)も、災害救助法の仮設住宅と同様の扱いの下で大幅に認められた。

     (中略)

今回の被災地である三陸地方や仙台平野沿岸の農漁村部はもともと空き家が少なく、それどころか民間賃貸住宅がほとんどない(存在しない、または被災している等)という場所が多い。内陸部の借り上げ住宅は住環境的にいくら整っていても、農漁村部などのように職場が地域と密接に関係した地域コミュニティの場合は、簡単には移動できない事情もある。

宮城県第二の都市である石巻市の場合も、中心市街地は以前から民間賃貸住宅が少なかった上、浸水して被災した地域も広大なために意外と物件はない。そこに被災者のみなし仮設や復興関連の工事関係者が入居したため、数少ない民間賃貸住宅を巡り地元の大学に通う学生にもその影響がおよんでいるという(2012/02/19 河北新報)。

仙台市でもみなし仮設や復興関連の工事関係者需用の影響で、世帯向け向けの住宅は見つけにくい状況が続いているという。その影響は一般企業に及び、人事異動の規模や時期の変更を余儀なくされているという(2012/2/19 河北新報)。

また、そこには「県外避難者」で生じるのと同様に「被災者」の存在が地域から埋没したり、従前の地域コミュニティが分断されてしまう等の課題が挙げられている。行政はボランティアなどの支援者に対して「個人情報保護」を名目に、みなし仮設住宅の居住者情報を一切開示しないため、避難者が自ら名乗り出ない限りは「被災者」であるということすらもわからない。そのためにみなし仮設住民は、ボランティアなど民間による外部支援を受動的には受けられず、総体的には一般の仮設住宅に比べても支援の手が薄くなり、結果、地域からも孤立することになる。

長期的には特に被災地外(県外避難者)のみなし仮設入居者は、被災者支援の網から漏れてしまうという同様の過去の事例(阪神・淡路大震災、三宅島噴火災害)が多く報告されており、負の側面も存在することの教訓が多く残されたことは、当初から当然分かっていたことだった。それにもかかわらずみなし仮設を伝えるマスメディアの報道では、こうしたデメリットの存在はほとんど伝えられることはなかった。

応急仮設住宅 ― 震災基礎データ集

「みなし仮設」にできる住宅が少なく、さまざまな問題が起きた。そして、「みなし仮設」の住民が被災者支援の網から漏れてしまう恐れがある。さらに、そのことがマスメディアにほとんど取り上げられていない、というのだ。



被災者の家賃、現金給付も 有識者会議が提言へ
中村信義、石川智也2014年7月29日05時26分

 災害時の仮設住宅について、内閣府の有識者会議は、自治体が住宅を用意して無償提供する現行の方式に加え、家賃として現金を給付し、被災者自らが賃貸住宅を借りる方式を新たに検討することを提言する。高所得者の家賃有料化の検討も求める。将来の大災害の際、国や自治体の負担を減らし、より多くの財源や人手を必要な被災者支援に回すことを目指す。

 東日本大震災では、資材高騰や寒冷地対策などで、自治体が建設するプレハブ仮設は、1戸あたりの整備費用が600万~820万円と基準の253万円を上回った。また、民間住宅を借り上げる「みなし仮設」では自治体が借り主になるため、契約作業に職員の手が回らず、被災者が入居を待たされる例が相次いだ。

 大災害時には物資の調達が困難になるため、災害救助法は「現物給付」を原則としてきた。それを根本的に見直す提言の背景には、このままでは甚大な住宅被害が想定される首都直下地震や南海トラフ巨大地震に対応しきれないとの危機感がある。

 提言では、自治体が直接建設するよりも、みなし仮設を積極活用すべきだと指摘。そのうえで現金やクーポン券を被災者に給付して家主と契約してもらう方法も検討すべきだとする。震災では、みなし仮設の1戸あたりの費用は、2011~12年度、単純計算で年間74万~150万円と、プレハブ仮設を大きく下回る。現金給付とすることで契約手続きなどの自治体の事務負担も減り、被災者が迅速に避難所から移れるようになると見込む。都市部では賃貸住宅の空き家も活用できる。ただ、避難者同士が交流する機会を設けるなど、地域コミュニティーの維持への配慮も求めた。

 また、現行制度は自己資金で住宅再建できない被災者を入居対象にしているが、審査が難しく、震災の被災地では、資力がある人がみなし仮設に無料で住み続ける実態もある。そこで、災害から一定期間経過後に資力を調べ、高所得者には家賃を負担してもらうことも検討するよう政府に求める。

 災害後の恒久住宅の整備でも、集団移転の事業費が多くの場所で1戸5千万円台に上るなど財政負担は重い。政府は今後2~3年かけて災害救助法を改正し、「応急処置」である仮設住宅のコストを絞り、被災者の恒久的な住宅確保に、より多くの税金を回せる仕組みづくりを急ぐ考えだ。(中村信義、石川智也)

■仮設住宅をめぐる主な提言内容

・民間住宅を借り上げる「みなし仮設」を積極活用

・自治体が直接建設したり借り上げたりする「現物給付」に加え、「現金給付」も検討を

・入居要件として、住宅の被害程度だけでなく、被災者の資力も判断材料に

・自治体側の建設や管理の負担軽減のため、民間業者への業務委託や連携を推進

2014.07.30 | ├ 住宅・建築ネタ | トラックバック(0) | コメント(0) |












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