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父親の病気にかんして、印象的だったことがらを書いているんだけど、とくに「これは…」と思ったのは、医師の能力差だった。


父親が、体の痺れと痛みを訴えたとき、近所の病院を受診した。そして、問診とともに、血液検査を行った。下表はその一部である。



炎症反応(CRP)があって(9.15 H)、白血球数(WBC)に異常がない場合(4100)、リウマチなど免疫異常を疑うべきなのに、父親は半年以上痛み止めしか処方されなかった。

イトコが父親の病気は線維筋痛症にちがいないというので、その専門医に連れて行った。線維筋痛症の専門医は多くはリウマチの専門医であることが多い。そうしたら、一回の血液検査で、抗CCP抗体の数値が異常に高い(389 H)ので、8~9割の確率で関節リウマチですと診断された。下表はその一部である。



その後、MRI画像診断で滑膜の炎症がわかり、関節リウマチに間違いないと言われた。


リウマチになると約3割が甲状腺機能低下症になる。そして、甲状腺機能低下症から認知症を発症することがある。父親が認知症状を示したとき、手足のむくみ、末端部の体温低下、乾燥肌など典型的な甲状腺機能低下症の症状が出ていた。また、血液検査でも脳下垂体から出る甲状腺ホルモンの分泌を促すホルモン(TSH)が高かった(10.500 H)。



ちなみに、父親は貧血であり、これも甲状腺機能低下症と相関関係を示すらしい。また、甲状腺機能低下症と診断するには、TSHだけでは不十分で、甲状腺から分泌されるホルモン(free T3 と free T4)の値も必要である。



ところが、物忘れ外来の医師は、MRI画像診断のみで、「あなたのお父さんはアルツハイマー型認知症です」と言って、甲状腺機能低下症との関係はいっさい考慮してくれなかった。たしかに、父親の脳は萎縮をしていたが、数値的にはぎりぎりセーフだった。

コウノメソッドで有名な河野和彦さんの

コウノメソッド 2014(PDF)

には、応急措置として、全員に甲状腺機能検査を行う(TSH, freeT3, freeT4)。その結果を受けて、「甲状腺機能低下が見つかったら、軽症(TSH 20 以下)にはチラージン25μgを開始。重症なら狭心症の有無を聞いてなければチラージン50μgを処方して、2か月後に再検しチラージン用量を調整する。TSHが高くfreeT3, freeT4 が正常域なら橋本甲状腺炎が疑われるので毎年再検する。いずれ低下してくる。甲状腺機能亢進が稀にいて、そのせいで陽性症状が強くなっている場合がある」とある。


父親は肺炎から敗血症を引き起こして亡くなったが、そのときの症状は関節リウマチの悪化にしか見えなかった。だから、医者が誤診しても仕方ないことってあるんだと思ったが、上の2例は酷いなと思っている。

2015.05.13 | ├ 父の病気と死 | トラックバック(0) | コメント(2) |

これはひどい。おかしいと思ったらすぐにセカンドオピニオンを求めないとだめですね。

2015.05.18 09:32 URL | A #- [ 編集 ]

ところが、患者や家族に知識がないので、なかなか「おかしい」ことに気づかないのです。記事も、今ならこう書けるわけで、当初は「そうですか」しか言えませんでした。

ぜんぜん関係ないのですが、父が集中治療室に長く入っていたので、人工呼吸器に繋がれた人間がどうなるとか、脈拍・血圧・呼吸・血中酸素量などのモニターの読み方がわかってしまい、ドラマにその手のシーンが出てくると、そのウソっぽさに笑ってしまいます。人工呼吸器に繋がれたら、おとなしく寝ていないとか、そんなに体を揺すったら、モニターのグラフがもっと乱れますよとか、突っ込みどころ満載です。

2015.05.18 10:11 URL | 王子のきつね #NVCdQGYY [ 編集 ]












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