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元少年A『絶歌』(太田出版、2015年)

いろいろ議論のある本だが、ようやく読み終わった。この間に、別の本を1冊読んでいたので、時間がかかってしまった。


じつは、『絶歌』を読んで、腑に落ちることが多すぎて困った。元少年Aの場合、祖母の死と最初の射精が同時期で、死と性衝動が結びついている。これは、オイラの性的な嗜好もほぼ同じ頃に決まったようなので、あながちウソではないと思った。

Aの祖母が亡くなって、祖母を慕ってマッサージチェアに乗って動かしたら、性器が刺激されて射精してしまった。←これは、けっこう正直に語ってると思う。w ぜんぜん関係ないけど、彼の場合、射精に強烈な痛みが伴うようなので、医師の診断を受けるべきだと思う。w

祖母の死をきっかけにナメクジの解剖がはじまり、つづいて愛犬の死をきっかけに猫の解剖が始まる。犬の餌を食べに来た猫を殺して解剖していたら、射精してしまった。そのような行為が続き、死と姓衝動が密接に関連していった。そして、ついには、人間を殺すに至るわけだ。

オイラは、小学生の高学年の頃、夢精を経験した。マスターベーションで射精したのは、中学生になってからだった。具体的には書かないが(書きたくもないがw)、その間のさまざまな経験が、自分の性的嗜好を決定している。

ただし、祖母の死がAに与えたショックが大きすぎて、オイラには理解できない。オイラ自身は、叔父、祖父とかわいがってくれた人たちの死に対して、あまりショックを受けていない。オイラの方がドライなのか?


Aが逮捕され、医療少年院に入れられ、どんな「治療」が行われたかは、書かれていなかった。しかし、その結果、彼は「人間らしさ」を取り戻したようだ。

人間らしさを取り戻してしまうと、自分のやった殺人がトンデモないことだと分かってくる。罪の意識に苛まれて、堪らなくなる。彼が本書を書いた本当の動機は、それを一人で抱えているのが耐えられなくなったからなのだろう。その点ではワガママな動機なのだ。

しかし、快楽殺人を行う手合いというのは、おしなべてワガママな連中なのだ。自分の感情や欲望を抑えられない。他人に共感することなんてできない。社会のルールなんて無視してもかまわない。そんな連中だ。だから、殺人を犯すとこんな酷い目に遭うぞって内容の方が、連中を躊躇させるには効果的なのだ。それでも、オレだけはそんなヘマはしない、という根拠のない自信をもっているんだけど…。w

この本の出版を批判する人たちには、そのことがまったく分かっていない。じつに、嘆かわしいことなのだ。自分の暗黒面wを、ある程度、受け入れていないと、この本を評価できないと思う。まあ、真っ黒だと、ホントに暗黒面に堕ちそうだけど、「こそワル」くらいの自覚がないと、Aを理解できないんじゃないのかな。w


こんなことばかり書くと、読もうって意志がくじけるだろうから、書いておくと、少年院「退院」後の彼の周りの人たちは、クソ野郎もいるが、けっこう良い人が多かった。なかなか感動的な話も出てくるので、そこはちゃんと書いておこう。

でも、Aは、周りが良い人であればあるほど、自分のクソさがひしひしと感じられ、そこから逃げ出してしまう。「♪居場所がなかった/見つからなかった」なのだ。Aは、そんな自分にもケリをつけたかったんじゃないのかな。

2015.06.28 | | トラックバック(0) | コメント(0) |












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