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よしりん(小林よしのり)がSEALDsと高橋源一郎氏を批判する文章で、自らの読書体験を書いているんだけど、なんだかなぁって内容でワラタ。

仏文学でサルトルの「嘔吐」を原文で読む授業を受けていたが、面白いと思ったら文庫本を買って、さっさと日本語訳で読んで、さらに実存主義に興味を持ち、ハイデッガーに興味を持ち、メルロー=ポンティに興味を持ち、マルクス主義に興味を持ち、フランス革命に興味を持ち、ルソーに興味を持ち・・という風に、どんどん読まなきゃならない本が増えていった。

「甘えん坊将軍」を甘やかす老人の醜悪

さらっと書いてあるけど、けっこうスゴイことが書いてある。サルトルの『嘔吐』ってさっさと読めるものなのだろうか? よしりんは、ハイデッカーやメルロ・ポンティを本当に読んだのだろうか? マルクスやルソーをちゃんと理解したのだろうか? フランス革命を理解するにはかなりの歴史書を読む必要があるのだが…。等々。

オイラは大学1年のとき、マルクスの『資本論』第1巻を読んだことがある。しかし、それは、南克巳先生の資本論第1巻を解説する講義に出ていたから、読むことができたのだ。南先生は、一般にはあまり知られていないが、たいへん高名なマルクス経済学者で、しかも、野呂栄太郎とともに「日本資本主義発達史講座」を刊行した山田盛太郎の弟子であった。

大学2年のとき、ドイツ語で書かれたさまざまな作品を読むという授業があった。この授業を担当していたのが、単位を取るのがたいへん難しいと評判のK教授(故人)だった。ルターとか、カントとか、ハイネとか、いろいろ読まされたのだが、エンゲルスの『空想から科学へ』を読んだとき、K教授のエンゲルス理解はオカシイということに気づいてしまった。

K教授のドイツ語能力は高いはずであり、読めないはずないのに、前年に南先生から教えてもらった弁証法的唯物論と史的唯物論とは異なっていた。てか、めちゃくちゃな内容だった。後にわかったのだが、あらゆる学問には「知の枠組」があり、それを知らないと作品そのものを理解できない。どんなに語学能力があっても、トンチンカンな理解しかできないのだ。

よしりんのマンガは『ゴーマニズム宣言』1~8巻と『新ゴーマニズム宣言』の1巻、そして『AKB48論』くらいしか読んだことがないが、上記のような読書歴のある人が書いたマンガだとは1ミリも思えなかった。

わしが学生の頃は、疑問を教師に尋ねることもなかったし、ネットなんてなかったから、書店を回って、本を探しまくり、多くは文庫本で学んでいった。文庫本を買うために、短期にカネが儲かる肉体労働のアルバイトをして、ジーンズ一本を買うカネも惜しみ、穴だらけのジーンズで冬を越すとしても、本を買うためだけにカネを使った。オシャレなんかクソくらえである。

すさまじいことが書いてあるが、残念ながら、額面どおり受け取ることができない。「疑問を教師に尋ねることもなかった」って、だからダメなんじゃん。また、これが事実だったとしたら、彼の努力はまったく報われていない。少なくとも、マンガの内容にはね。

ちなみに、SEALDsと高橋源一郎氏の本は、まだ未読なので、読んでみようかな、と思った。

2015.11.11 | | トラックバック(0) | コメント(0) |












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