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テレ東の新春時代劇「信長燃ゆ」を見た。

「天下布武」を掲げる織田信長は、既成概念を壊し、スペインやポルトガルに並ぶ世界の大国を築きたいと野望を抱いていた。そんな信長の良き理解者として、若いころから親交のあったのが、朝廷側の要人、関白・近衛前久である。

しかし、全国統一を成し遂げようとする信長は、朝廷を越え、日本の王となろうとする。そんな信長に、前久は危機感を募らせ、次第に対立していくようになる。また誠仁親王夫人・勧修寺晴子は朝廷を守るため 信長に接近するが、内裏での不自由な生活と外の世界の広く自由な空気に心を打たれ、さらに信長の人柄に次第に惹かれていく。そして信長も…。

なぜ、信長は二百にも満たない家来を引き連れ本能寺に向かい、そして家臣の明智光秀に討たれてしまったのか?あまりにも有名な「本能寺の変」の真相が全く新しい視点で描かれる。

信長燃ゆ|あらすじ

数ある本能寺の変の真相をめぐる諸説の一つである「朝廷黒幕説」をもとに書かれた安部龍太郎の小説をドラマ化したもの。織田信長を東山紀之、関白・近衛前久を寺尾聰、正親町天皇(安部龍太郎w)の子である誠仁親王(太川陽介)の女房・勧修寺晴子を栗山千明、明智光秀を石丸幹二、羽柴秀吉を北村有起哉が演じている。変の35年後に、史実では死んでいる森坊丸(内藤剛志)が晴子に真実を語るという形で話が進行する。

朝廷側の黒幕は近衛前久ということになっている。前久は、芸術や有職故実にくわしいだけでなく、馬術や鷹狩りにも通じており、室町幕府滅亡後、信長と親しくなったのはこのためだ。また、政治にも関与し、上杉謙信と盟約を結んだり、足利義昭と結んだ二条晴良と対立したり、石山本願寺を中心とした「信長包囲網」に参加したりしている。

しかし、信長死去後、失意のため出家したり、明智側についたという風聞を流されて秀吉に都を追われ、家康の斡旋でようやく帰京できたり、その家康と秀吉が小牧長久手の戦いで対立すると、再び都を追われ、和議の成立後に帰京したりしている。黒幕だったら、もう少しうまく立ち回ったんじゃないかと思われる。

黒幕説の最大の弱点は、光秀が陰謀・謀略に乗ってくれないと、何もできない点だ。光秀が、野心なり怨恨なりをもって、信長を討ってくれないと、陰謀・謀略が成り立たない。そうなると、「怨恨説」でよく使われる、信長が光秀をボコボコに殴る話とか、近江・丹波の所領を召し上げて秀吉を応援させる話が出てくるのだ。

逆に、最近有力視されている「四国征伐回避説」は出てこない。信長は四国政策を光秀に任せており、光秀は長宗我部元親と結んで三好氏と対立していた。しかし、元親の力が強くなるなか、秀吉が甥の秀次を三好氏の養子とし、信長と元親は対立するようになる。信長が秀吉の策に乗って四国征伐を計画したので、光秀はそれを回避するため謀反を起こした。

まあ、一般の小説に「事実と異なるガー!」なんていうのは無粋だが、歴史小説なんだから、「もう少し史実を反映させてくれよ」とは言いたいね。w

2016.01.06 | ├ 歴史ネタ | トラックバック(0) | コメント(0) |












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