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楽なログ

というブログがあり、けっこうオモシロイので、ここ数か月くらい読んでいた。

ところが、「日本は農業によって不幸になった」という記事を読んだら、つぎのようなことが書いてあった。

 ところで、日本は農業国だったし瑞穂の国ともいわれてるから畑や田んぼがあって当たり前だというけれど、そうなってから貧しくなったとも言われている。労働がきつくなり貧富の差も発生した。これを他民族にも強要し、狩猟民族のアイヌから土を奪い、「同化」と農業を強いておいて工事をするのためなら取り上げ環境破壊をする。

 こんな残酷非道なことを、どうして平気でやるのか。CWニコル氏は「日本人は自然を憎んでいるのか」と言って憤ったが、実際に憎いのだ。農耕をする前の日本人はアイヌのように自然と共生して恵みを受けていたから自然に感謝していたが、苦労ばかりするようになってしまったのだから嫌いになって当然だ。

 とくに「貧農」と言われる人は、憎い自然を破壊したうえ公共事業の利権にありつければ、精神的および経済的に満足ということで一石二鳥だ。田中角栄や鈴木宗男といった政治家たちとそれを支持する田舎の人たちの捻くれた心情である。

 このように農業を全否定も可能だが、それは極論だという立場をとるにしても、今の日本の農業は経営的に問題がありすぎるうえ健康面でも農薬の使い過ぎなど外国よりひどいという認識になる。

 それで、農業は日本にとって諸悪の根源だから、アメリカとそれを支配する多国籍企業の圧力による農産物輸入の自由化は実は救世軍であると、皮肉ではなく言う人が昔からいたのだ。狩猟採取生活に完全に戻ることはできないが、産業化によって農業から日本は解放される。とくに稲作なんてしなくなれば天皇も神道も否定できる。

日本は農業によって不幸になった

あまりに酷い内容なので、以下のとおり、コメントした。
 農耕以前とされる縄文時代、もっとも人口が多かったのは、縄文中期だが、それでも26万人にすぎない。もっとも近年は、クリやドングリの栽培をしていたという説もある。

 農耕(稲作)をはじめた弥生時代には49万人になり、江戸時代末期には3,230万人に増えている。「そうなって[農耕が始まって]から貧しくなったとも言われている」などとは、このような数字をご存じないからだろう。

 近年の研究では、縄文時代は貧しくなかったと言われているが、それは温暖化の影響で東日本でクリやドングリがたくさん採れたからで、寒冷化が進んだ縄文末期には8万人にまで減っている。

 工業化によって工業製品をつくり、海外に輸出して、食糧を買うのは、世界中から食糧を収奪することなので、これこそ諸悪の根源である。もっともこのモデルは、20世紀の時代遅れのモデルなので、BRICS諸国が工業化した現代ではもはや通用しない。

 20世紀の時代遅れモデルに固執して、まじめに食糧自給を考えないと、1億2700万人の人口を飢えさせることになる。

かつてのアイヌと同じように、狩猟採集生活をしたら、日本には墨田区(25万6000人)か目黒区(27万8000人)くらいの人口しか暮らせなくなってしまう。ちなみに、ここにあげた数字は、鬼頭宏[著]『人口から読む日本の歴史』(講談社学術文庫、2000年)による。

和人によるアイヌ支配が酷かったことは、小林よしのりではないのでw、とくに反論はない。しかし、近年の研究によると、アイヌのような狩猟採集社会でも、たとえばサケを保存できる技術が確立すると、余剰食糧が発生し、たちまち階級が生まれてしまうことがわかっている。だから、アイヌ社会を支配-被支配関係のない社会と見なすのは、いささか問題があるのではないか、と思っている。

狩猟採集民が自然に感謝していたとあるが、それはどうかと思う。なぜなら、彼らにとって自然は、恵も与えるが、同時に恐ろしい存在だったからだ。上記のコメントにも書いたが、狩猟採集社会では、寒冷化が進むと、人口が3分の1以下になってしまうからだ。原始宗教が、自然を神として崇拝したのは、恵とともに恐ろしい存在だったからだ。

田中角栄・鈴木宗男的な権力のあり方を「貧農」に結びつけ、「貧農」が自然を憎み、それを破壊していると考えるのは、さすがにダメだろう。高度経済成長は、農村からの労働力を引き出すことで成功したが、その結果、「太平洋ベルト」とそれ以外の地域との格差が拡大した。田中角栄的権力は、この格差を前提に、都市に集まった金を地方に環流させ、衰退する農業に代わって、公共事業を担う建設業に農村人口の流出を防がせ、自民党の権力基盤を維持させることに成功した。

同時期、社会党は衰退するが、それは「産業構造の高度化」で第二次産業に従事していた都市の組織労働者が、ホワイトカラーやサービス業に移ることで、減ってしまったからだ。また、公明党や共産党も組織拡大が鈍化するが、両党の基盤であった都市貧民層を自民党が商工会議所をつかって組織したからだ。これは、田中角栄のしたことなのだが、公共事業ほど派手でないので、あまり知られていない。

公共事業は、マクロ経済の要請なので、「民間貯蓄超過」が解消されないと、減らすことができない。くわしい説明は以下のとおり。

NHK SP「日本国債」がクソだった件

ホントは、費用対効果の高い教育に公共投資して、高校・大学を無償化し、保育士や介護士の給与を増やした方が良いと思っているのだが…。

日本の農業経営が零細であることは事実だが、そもそも国土が小さいうえに、平地が全体の30%くらいしかない。平野部での大農経営は可能だが、山間部での規模拡大はかなり難しい。むしろ、6次産業化(生産→加工→販売を農家が行うこと)で切り抜けた方が良いと思う。

農薬の問題が出ていたが、海外から輸入する場合、ポスト・ハーベストといって、船で運搬する途中で虫に食われないように、農産物に直接農薬をかけたり、燻蒸したりするが、これは田畑に農薬を撒くよりもはるかに残留農薬が多く、危険である。

農薬とならんで問題なのが化学肥料で、収量増加に貢献しているが、土地を酸性化させる。しかし、日本における高収量は化学肥料に依存しているので、完全にやめてしまうと、収量が半分になってしまう。今の人口の半分くらいが、ホントは日本列島には合っているのだ。

2016.05.21 | ├ 経済ネタ | トラックバック(0) | コメント(0) |












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