以前、

日本は農業によって不幸になった

で書いた人が、こんどは

日本人は国民皆保険制度で不幸になった

という記事を書いたが、これを読んでも、なぜ日本人が国民皆保険制度で不幸になったのか、まったくわからない。

この人は、医療裁判を起こしているので、医療制度や保険行政に不満があるのはわかる。しかし、だからといって、国民皆保険制度をなくしてしまえ、というのはいささか乱暴である。
オイラが疑問に思うのは、この人は、農産物をいっさい食べないのか、あるいは、公的保険制度をいっさい利用していないのか、という点である。

「日本は農業によって不幸になった」というくらいだから、農業一般がよくないと考えているはずで、外国から輸入される農産物は食べるという理屈はオカシイと思う。そうなると、伯夷・叔斉のように、山菜でも食べるしかない。しかし、伯夷・叔斉はそれで餓死したわけだが…。しかも、この季節、山に入ると、クマも山菜を狙っているので、たいへん危険だ。

同じ理由で「日本人は国民皆保険制度で不幸になった」というのなら、いますぐ、すべての公的保険(医療・年金・労災・失業・介護)から脱退すべきだろう。日本のように不完全ながら公的保険制度が整備されている国では、保険会社が提供する保険だけではたいへんなので、(オバマ・ケアが骨抜きにされ)公的保険制度が実質的にないアメリカに移住することを勧める。

「政府の政策が気にくわないなら、日本から出て行け!」というのは、ヘイトスピーチと変わらないので、本当なら言いたくない。しかし、ヘイトスピーチは、日本から出て行くことができず、なおかつ税金や社会保険料を日本政府に納めている、人たちに向かって、「出て行け!」と言っているのだから、理不尽だ。一方、オイラは、公的保険制度がある日本では、それを拒否して生きていくのは難しいから、日本から出て行った方が良いと言っているので、理不尽ではないだろう。

オイラの亡父は、病気の総合デパートというくらい、若いときから病気やケガばかりしていた。結婚する前に、十二指腸潰瘍になり(酒の飲み過ぎらしい)、手術のときの輸血でC型肝炎になった。上の妹が生まれたとき、椎間板ヘルニアになり、オイラが高校生のとき、仕事で屋根から落ちて腕を骨折した。喫煙していたが、オイラが大学生のころ、なぞの咳がつづき、本人は肺がんを疑ったが、そうではなかった(このときタバコをやめた)。のちに、肺気腫であることがわかった。年を取ってからも、網膜剥離と白内障、腎臓・膀胱がんの手術をした。亡くなる前に、関節リウマチになり、甲状腺機能低下症で認知症となった。最期は、肺炎から敗血症となり(肺気腫であることがわかったのはこのとき)、腎機能低下(腎臓が1つしかない)、黄疸(C型肝炎が悪化)、胃(十二指腸潰瘍のとき繋いだ部分)からの出血で、亡くなった。

父親がこんなに病気をしていたので、国民皆保険制度がなかったら、わが家は破産である。その分、母親もオイラも病気らしい病気をしていないので、トントンなのかもしれない。

ふつうは本人や家族が病気になると、国民皆保険制度の必要性を感じるわけだが、この方のように、医療事故などに巻き込まれると、医療不信から医療保険制度などない方が良いといった極端な意見になるのだろう。

2016.05.23 | ├ 経済ネタ | トラックバック(0) | コメント(0) |












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