7/1(金)、バングラデシュのダッカでショッピングモールのレストランが襲撃され、日本人7人が殺された事件について、ヨルダン在住のNGO主宰者がこんな記事を書いている。

バングラデシュのテロ事件を受けて、被害者の1人が「日本人だから撃たないで」と言ったことが返って悪い結果をもたらしたのではないかとか、「日本が援助をたくさんしてきた国で、なぜ日本人が犠牲になったのか?」とか、事件と日本を結び付けたがる人がいるが、私はその行為に何の価値も見出せない。

事件は非イスラム教徒を狙った無差別テロの可能性が高く、ターゲットとなったレストランに不幸にも「たまたま」日本人がいただけである。日本人がいたから大きなニュースになっただけで、外国人が集まる所が無差別に狙われたテロ行為は他にもたくさんある。それらの事件と重ね合わせ、相対的に事件を分析することが再発防止策につながるのではないか。

「援助したのになぜ狙われるのか」ではなく、「援助したからこそ狙われた」という発想転換を

今回の事件でマスコミが日本のバングラデシュ援助について報道していたが、“的を射ない”内容でけっこう笑えた。←亡くなった方には申し訳ないが…。

たとえば、主なインフラ整備を列挙し、○○建設や○○組がかかわったなどと報道していたが、それって「タイド(ひも付き)」なんじゃないの?とツッコミを入れたくなった。また、やたらと「円借款」と書いてあって、「贈与比率」低そうとか、「グラント・エレメント」低そうとツッコミを入れたくなった。

説明している方は、これだけ日本はバングラデシュに援助してるんですよ!と言いたいのだろうが、日本の援助が諸外国から受けている(あるいは受けてきた)批判についてまったく無知なので、なかなかの内容だった。

まず、「タイド(ひも付き)」援助とは、日本企業に請け負わせることを条件に援助することで、結局、日本企業の儲けになってしまう援助のことだ。むかしから日本のODA(政府開発援助)の問題として諸外国から批判されてきた。しかし、2000年代に改善され、いまや90%台後半が「アンタイド(ひも付きでない)」援助となっている。だから、○○建設や○○組と紹介した後で、「この点はいまは改善されています」とちゃんと言わないとダメなんだよね。

そして、「円借款」とは、日本政府による援助国への貸付つまり有償資金協力のこと。政府による低利で長期の資金融資のことである。これが日本は多く、そのことが諸外国から「贈与比率が低い」と批判されている。

いまや世界の援助は「無償資金協力」となっており、返済義務を課さない資金協力が主流なのだ。しかし、日本は、いまだに円借款が多く、援助総額だと2位なのに、援助純額だと4位になってしまう。つまり、いっぱいお金を出しているが、その半分以上が貸金なので、とうぜんながら元金と利子を返してもらっている。それを差し引くと、援助純額は減ってしまうからだ。「贈与比率が低い」とはそのことなのだ。

最後に、「グラント・エレメント」とは、「贈与要素」と訳され、金利が安く、貸付期間が長いほど数値が高く、贈与(無償資金協力)だと100%、借款(有償資金協力)だと25%以上となる。日本は80%台後半だが、DAC(OECD=経済協力機構の開発援助委員会)平均が90%台後半なので、日本は低いと批判されている。

そのほかにも、GNI(国民総所得)比率が低いとか、最貧国の多いアフリカではなくアジア中心に援助しているとか、日本の援助への風当たりはけっこう強い。

このあたりの情報をきちんと説明したうえで、日本のバングラデシュ援助について説明しないと、正しい情報が伝わらない。←まあ、伝える気があるかどうかも問題なんだけどね。

2016.07.07 | ├ 経済ネタ | トラックバック(0) | コメント(0) |












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