日本経済新聞のこの記事に対して、

 横浜市で昨年10月、集団登校の列に軽トラックが突っ込み、小学生ら7人が死傷した事故で、横浜地検は16日、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で逮捕された男性(88)を処分保留で釈放した。

 同地検は引き続き在宅で調べる。捜査関係者によると、男性は認知症だったが自覚はなかった。事故を起こすことを予見できなかったとみており、過失責任を問うのは難しいとして不起訴処分となる公算が大きい。

 横浜地検は男性を約3カ月にわたり鑑定留置。認知症の有無に加え、事故前後の精神状態を鑑定していた。釈放した理由について同地検は「現時点で起訴するに足りる証拠が集められなかった」としている。

 事故は昨年10月28日午前8時ごろ、横浜市港南区の路上で発生。登校中の小学生の列に男性が運転していた軽トラックが突っ込み、小学1年だった田代優君(当時6)が死亡、小学生4人を含む6人が負傷した。

 神奈川県警によると、男性は逮捕後の調べに対し、事故を起こしたことを認めたうえで「事故前日の朝、ごみを捨てるために外出した」と供述。ただ、男性がごみを捨てた形跡はなかった。男性の車は県内外の高速道路を走行したり、ガソリンスタンドで給油したりしていたが、男性は「どこをどう走ったか覚えていない」とし、記憶があいまいだったという。

日本経済新聞|2017/2/16 22:23
横浜集団登校事故、88歳男性を処分保留で釈放 不起訴の公算

こんなブログ記事を書いている医師がいた。

また難しい問題です。

>男性は認知症だったが自覚はなかった。事故を起こすことを予見できなかったとみており、過失責任を問うのは難しいとして不起訴処分となる公算が大きい。

まず認知症を自覚していなかったから、通院していなかったから過失責任を問うことはできないという点に医療者として本当違和感。だって自覚できるのなら認知症じゃないし。また通院していたら家族の管理責任? 本当この問題なんとかしなきゃ。

自動運転、自動ブレーキ、車の制限は様々提言されている。ではこのような患者が勝手に運転させないようにするにはどうやったらできるのか。免許の返還、医師の診断書、人権の問題、強制力のない現場に任すだけではもう正直限界なんだよな。

最近本当犯罪の後精神鑑定を行うとの報道が増えている。昔からのことだが、犯罪者の人権は守られるが被害者の人権は本当ないがしろ。もちろん今回の場合も民事での解決が図られるのだろうが、親にしてみれば悲しさは拭えない。

政治家の皆さん。子供の安全、いや社会の安全を守る為パンドラの箱を開けましょうよ。最期の医療の問題を含めて、認知症患者の医療、社会、介護をどうするのか。もう付け焼き刃では被害者が増え続けるだけだと思う。[後略]

自覚していない認知症患者は刑法上罪は問われない 認知症患者は全員自覚していないよ!

「通院していなかったから過失責任を問うことはできない」「また通院していたら家族の管理責任?」と書いているが、元の記事にはそんなこと書いてない。書いてあるのは、心神喪失だから、罪に問うことはできないということで、これは法律論的にはアタリマエのことだろう。
ブログ主は、血液内科の医師=白血病など血液のがんの専門家なので、認知症についてはシロウトと変わらない。つまり、医師の発言だから、的を射ているってわけでもない。

まず、医師なのに、認知症“患者”を治療しようってキモチがまるでない。じつは、認知症“専門医”の中にも、どうせ治らないからテキトーに薬を投与するって医師がじつに多い。投薬の失敗(とくに向精神薬の)で何人か殺してるんだけど、その自覚もない医師がいる。

抗認知症薬は、4種類あるが、1つを除いて、記憶を司るアセチルコリンという脳内物質を分解するコリンエステラーゼ(分解酵素)に結びついて、分解できなくすることで、アセチルコリンの減少を防ぐ。

ところが、脳内物質はバランスをとって存在しているので、アセチルコリンが増えすぎると、そのバランスが崩れてしまう。とくに、「陽性反応」といって、興奮したりイライラする人が多く、徘徊や暴言・暴力といった「周辺症状」をともなう。

これを抑えるために、統合失調症治療薬を投与すると、こんどはドーパミン不足に陥り、歩行困難で寝たきりになり、嚥下障害で食事が取れなくなる。このメカニズムを知らない医師は、認知症が進んだと判断して、抗認知症薬を増量する。患者は「陽性反応」が進み、それを抑えるために統合失調症治療薬を増量する。すると、さらに症状が悪化して、多くの場合、誤嚥性肺炎で死ぬ。

上の記事のコメントで、「認知症になったら、安楽死したい」と書いている人が何人かいたが、家族に「認知症になったら精神病院に入れて欲しい」と言っておくとよい。現在、精神病院は、少子化で患者が減っているので、認知症患者の受け入れをしている。精神科医は、認知症に詳しくなく、若者に処方する量を高齢者に処方するので、「死の治療」をもれなくしてくれるだろう。まあ、誤嚥性肺炎で死ぬんだから、安楽な死とは言えないけどね。w


話は戻るが、車の運転をやめさせるっていうのは、認知症患者への対応の中でも、難しいことらしい。まともに責めたり、キーを隠したりするのは、下策中の下策だそうだ。

以前、風呂に入りたがらない認知症患者を、介護士が、白衣を着て医師のふりをして、「お風呂に入らなければ病気になります」と説得して、入れていたのを見たことがある。それと同じで、かかりつけの医師や制服警察官など、患者が尊敬・恐れていそうな人物に説得してもらうのが、上策なんだそうだ。

認知症なので忘れてしまうが、そのときはその人の写真を見せて「○○先生(巡査)が運転をしてはいけないと言っていた」と言えば、納得するだろう。これは認知症介護の本に載っている。

このあたりのノウハウは、テレビなどで知らせてくれたらアリガタイのだが、高齢者の交通事故は報道するが、それへの対応は報道しないというのでは、存在する意義がないような気がする。


被害者家族に残された手段としては、認知症患者の家族を相手取った民事裁判で損害賠償を求めることだろう。これも患者家族が患者にどう接していたかで裁判結果が異なってくる。認知症なのに放置していたのなら、多額の損害賠償を支払うことになるだろうが、ちゃんと治療を受けさせ、常識的な見守りをしていたが、ちょっとした隙に出て行ってしまったというのなら、監督責任を問うのが難しくなる。

このような事件の被害者への対応もぜんぜん進んでいないのが実情だ。被害者感情を利用して加害者を攻撃することで、自分の欲求不満を解消しようとする連中の存在には、言葉は悪いが、反吐が出る。ホントになんとかしてもらいたい。

2017.02.18 | 時事ネタらしきもの | トラックバック(0) | コメント(6) |

さすが、お詳しいですね。

薬物療法全般にいえますが、副作用止めとして別の薬を投与すると、別の副作用が出ます。このへんにとどめておけばいいのですが、その副作用を抑えるため当初の薬をまた増量・・・となると、泥沼です。

患者さんにとっては「薬圧」が溜まるばかりで、身体にストレスを溜め込ませるばかりとなります。

こうなってくると、家族関係の再構築(家族療法というほど大げさなものでなくても)などの現実的介入を探っていく方がよほどふさわしいことなると思います。

昼間だけ施設に引き取ってもらうデイ・ケアに任せることもよく行われていますね。送迎もしてくれます。

2017.02.18 17:54 URL | chitose #BXy/Vbyc [ 編集 ]

伯母が認知症でグループホームに入居していることは何度か書いていますが、昨年の秋頃に飲み込む力が衰え、そろそろ命が危ないので、終末期医療について説明を受けるという話になっていました。

夏に尿路感染症で高熱が出、11月に2度目の高熱が出て、高齢者専門の病院に入院しました。ところが、翌日、会いに行ったら、すごく元気で話しかけてくるんで驚きました。それまでは、施設に会いに行っても、あまり話をしなくなっていたからです。

担当の看護師から話を聴いたら、熱が下がるまで、一時的に認知症薬などはやめているというのです。そこで、家に帰って、薬理学の本やネットで調べた結果、それまでの症状がセレネース(ハロペリドール)の副作用だったと気づきました。

伯母は、一昨年に二度骨折し、最初の骨折の時から幻視に苦しむようになりました。二度目の骨折の後、幻視を抑えるために、セレネースを服用するようになりました。最初は症状が出たときだけだったのが、いつの間にか毎日になっていました。

セレネースは、ドーパミン受容体拮抗薬で、パーキンソン症状が出やすく、歩行困難を悪化させ(伯母は骨折ですでに歩行困難になっていた)、嚥下障害から飲み込めなくなり、誤嚥性肺炎で死ぬというスペシャル・コースに落ちるところでした。しかも、オシッコの出が悪くなって尿路感染症になったのも、副作用の一つだったのです。

翌日、担当医に会って、これまでの話をして、セレネースは飲ませないで欲しいと訴えました。この医師は、若い女医さんで、話をちゃんと聴いてくれ、心療内科の医師と相談して投薬をすることになりました。

ところが、グループホームと契約しているクリニックの医師(コイツがセレネースを処方した)が、若い女医をバカにして投薬情報をちゃんと伝えてくれなかったので、心療内科の医師が困ってしまったそうです。結局、セレネースなしでも幻視が出なかったので、退院後もセレネースなしになりました。

ちなみに、伯母の退院について担当医と話をすることになり、待っていたら、ものすごい美人が現われました。こんなキレイな医師もいるんだと思っていたら、「担当の○○です」って言われたので、驚きました。この女医さん、目だけが地味で、前に会ったときはマスクと帽子で目以外を見られなかったので、美人だと気づきませんでした。w

2017.02.18 22:13 URL | 王子のきつね #NVCdQGYY [ 編集 ]

セレネースといえばよく名前を聴きますが、統合失調症や躁病、多動や興奮をおさえる薬ですよね。確かにパーキンソン症状が出やすい薬です。

認知症への治療というより、単に「幻視があったから」という理由で出されたのでしょうか。

ググったら、

> とくに認知症にともなう精神症状に、
> 安易に適応外使用するべきではありません。

・・・とありました・・・

2017.02.18 23:40 URL | chitose #BXy/Vbyc [ 編集 ]

伯母の場合、「陰性反応」でうつ症状があるので、選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)のジェイゾロフト(セルトラリン)を処方されています。こっちは2014年1月から服用していて副作用はなさそうです。

前の主治医(この人も女性)がいろいろ試したようで、ジェイゾロフトの処方もこの人が決めました。抗認知症薬も、最初はアリセプトだったのですが、伯母に合わなかったらしく、レミニールに変更したようです。レミニールは、セロトニンやドーパミンを増やす働きがあるので、うつ症状やパーキンソン症状を改善できるようです。

2017.02.19 01:17 URL | 王子のきつね #NVCdQGYY [ 編集 ]

> 「陰性反応」でうつ症状がある

> ジェイゾロフト

これは定番の処方ですね。副作用も少ない薬です。

2017.02.19 01:23 URL | chitose #BXy/Vbyc [ 編集 ]

ここ数年の体験で、思った以上に医師の力量には差があるので、気をつけるようにしています。ニセ科学批判の人たちは「そんなことない!」って断言してますが、ありますよ!w

母親が、湿疹ができたのに、アトピーの薬を処方されたり(その後、皮膚科の専門医が治療した)、知人が、痔だと診断されていたが、じつは大腸がんだったってこともあります(手術して人工肛門になった)。後者は命にかかわることなんで、医師にはしっかりして欲しいです。

2017.02.19 01:42 URL | 王子のきつね #NVCdQGYY [ 編集 ]












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