大西宏氏が石原元都知事の記者会見を評しているが、ホントにそのとおりだったな。w

石原元都知事の記者会見は、「果たし合いに出掛ける侍の気持ち」、「私が全部しゃべると困る人がいる」、「座して死を待つつもりはない」という意気込みで望むとあって期待していました。「都民ファースト」とは正反対ともいえる「正義感ファースト」の対決も、終わってみると、「知事とは気楽なもんだときたもんだあ」の世界を泳いでいた人なんだろうかと思わせる会見でした。やはり「攻め」には勢いづくけれど、「守り」はできない方だったのでしょう。

豊洲が安全ではあるものの、安心できなくしてしまった、「風評に科学が負けるのは国辱」とする石原さんの主張は、国辱かどうかは別にして、賛同ができます。しかし、それよりは、いかに石原さんが、実務能力がなく、人任せの無責任だったかを強く印象づける会見でした。

想像ですが、豊洲のアリババへの売却の噂がでてきて、中国人に売るとはケシカランと怒り、小池都知事との差し違いを覚悟の特攻精神で臨んだものの、守りの鉄板もなく、武器もないままの突撃では、敵艦まえで撃ち落とされてしまったという感じでしょうか。

侍魂どころか、敵前失速してしまった石原さん

《評論家や学者の人のなかには、安全性を訴えれば問題解決すると気楽に考える人もいますが、そうはいかないのが世の中の現実です》という発言に激怒しているネット民がけっこういる。しかし、「科学的に正しいんだから、手続きはいいかげんでいい」というわけにはいかないのが、この世の中だ。

つい最近、「NEWSポストセブン」が取り上げた医師の記事がそれにあたる。

 1998年11月、川崎協同病院で呼吸器内科部長(当時)を務めていた当時48歳の須田セツ子医師は、気管支喘息の重積発作で心肺停止状態になった患者から、気道を確保するための気管内チューブを外した。すると、患者が上体をのけぞらせて苦しみだしたため、鎮静剤と筋弛緩剤を投与したところ、患者は息を引き取った。

 事件化したのは、それから3年後の2001年のことだった。同病院の麻酔科医の内部告発により発覚し、遺族が“抜管に関して家族の同意はなかった”と訴えたのである。殺人罪で起訴された須田医師は、2007年2月の東京高裁判決で、懲役1年6か月、執行猶予3年の判決を下され、2009年12月に最高裁が上告を棄却したことで、殺人罪が確定した。

延命治療を止め殺人罪に問われた医師が今も現場に立つ理由

この記事を読むだけだと、延命治療を止めた医師が、モンスター家族に訴えられ、愚かな裁判官に有罪にされたってイメージだが、もう少し詳しく書いた記事を読むと、ちょっとイメージが変わってくる。

法人[川崎協同病院]は、内部調査委員会を発足させ、事実関係の調査を行い、問題の原因と背景を分析し、病院の責任を明らかにし、再発防止の具体化をすすめました。内部調査委員会は、2002年7月30日に調査報告書を公表しました。診療録に基づき入院後の経過を検討し、患者Aの死亡当日の病態と聞き取りに基づいた死亡当日の経過を調べ、事件発生後発表までの経過と病院の対応の問題点も検討しました。

報告書は、須田医師の患者家族への説明について、診療録には家族の希望に基づいて抜管したと記載してありますが、家族のだれと、いつ話したか、病状をどのように説明したかが明確でなく、かえって誤った説明をしており、使用した薬剤についても説明しておらず、抜管が患者Aを死に至らしめる行為であることを説明していなかった可能性があるとしました。

報告書は、事件が生じた原因と背景を分析しました。「患者の人権を尊重する医療」という理念を、実際の医療現場で実践することが徹底されていなかった、チーム医療についての認識とその実践が極めて不十分であった、管理システムと運用上の問題が改善されなかった、「危機管理」意識の不徹底が必要な対応を遅らせた、と痛切な反省を連ねました。

モデルとなった事件「川崎協同病院事件」

このあと外部評価委員会が設置され、《本事例では、インフォームド・コンセント(正しい情報を得た上での合意)のあり方に重大な問題があり、チーム医療がうかがわれず、コミュニケーションの要としてのカンファランスの記録も残されていません》と同じような報告書を作成している(同上)。

これらによると、やはり家族への説明不足があり、、医師間の意思疎通も行われなかった(つまり独断で延命治療を止めた)ようで、それが原因で有罪判決を受けてしまったようなのだ。延命治療を止めることは医師として正しい判断かもしれないが、家族への説明がちゃんと行われなかったことは良くないということだ。

ただ、石原慎太郎元都知事にいえることは、小池百合子現都知事にもいえることで、防衛大臣時代のゴタゴタを見ていると、お世辞にも実務能力があるとはいえない人なので、「ブーメラン(おっと、この言葉は誤用w)」が返ってこないように気をつけた方がよいと思う。
「部下に任せたから、俺は知らない」は、地方自治法の規定上、アリエナイ大問題発言。

「普通地方公共団体の執行機関は、当該普通地方公共団体の条例、予算その他の議会の議決に基づく事務及び法令、規則その他の規程に基づく当該普通地方公共団体の事務を、自らの判断と責任において、誠実に管理し及び執行する義務を負う」(地方自治法第138条2)

「普通地方公共団体の執行機関の組織は、普通地方公共団体の長の所轄の下に、それぞれ明確な範囲の所掌事務と権限を有する執行機関によつて、系統的にこれを構成しなければならない」(同第139条)

「普通地方公共団体の執行機関は、普通地方公共団体の長の所轄の下に、執行機関相互の連絡を図り、すべて、一体として、行政機能を発揮するようにしなければならない。」(同条2)

「普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の執行機関相互の間にその権限につき疑義が生じたときは、これを調整するように努めなければならない」(同条3)

石原元都知事は「これらの規定を守りませんでした!」って宣言したわけだからね。

2017.03.06 | 時事ネタらしきもの | トラックバック(0) | コメント(0) |












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