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高槻成紀[著]『タヌキ学入門 ―かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔』(誠文堂新光社、2016年)の179~202ページは《東日本大震災とタヌキ》というタイトルで、たぬたぬが被災地に人間よりも早く戻ってきたことが書いてあった。

震災から2年経った2013年、宮城県でフィールドワークを行っている研究者から津波の被災地でタヌキのため糞が見つかったとの知らせがあった。そこで、タヌキの糞を送ってもらい、分析した。

場所は、宮城県仙台市宮城野区の南蒲生と、同県岩沼市の阿武隈川河口である。



岩沼のタヌキの糞の分析結果は以下のとおり。



春から夏は昆虫、夏から秋は葉、秋から冬は果実が多かった。果実は、テリハノイバラとヤマグワであり、テリハノイバラは津波被害のあった2011年にはすでに咲いており、ヤマグワは実がなるまで5年かかるので、どちらも津波を生き延びた親木が実をつけたものだった。

南蒲生のタヌキの糞の分析は以下のとおり。



夏から秋にかけて昆虫が多かったが、同時に、春には哺乳類の毛、冬には鳥の羽毛が多かった。また、秋から冬にかけて人工物が多かった。

タヌキは、雑食なので、鳥や哺乳類も食べるが、狩りは下手なので、死体や動けなくなった鳥や哺乳類を食べたのであろう。人工物は、ポリ袋やゴム手袋の一部で、食べ物とともに捨てられたり、漂着したものをいっしょに食べてしまったのだろう。

こうして戻ってきたタヌキだったが、その後の巨大防潮堤建設で住処を奪われ、再び姿を消してしまう(p.229~232)。

2018.09.10 | └ たぬたぬ(タヌキ) | トラックバック(0) | コメント(0) |












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